河和田アートキャンプ2010ブログ
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河和田アートキャンプとは
「芸術が社会に貢献できることは何か?」

河和田アートキャンプとは、福井県の鯖江市河和田地区(越前漆器の産地)に被害を与えた福井豪雨(2004年)の災害復興支援活動から始まりました。

活動は、京都精華大学を中心に地域内外の100名を超える学生達と地域住民が主体となって恊働でおこなう「地域づくりプロジェクト」です。
参加者は毎年、夏休み期間を利用して地区の古民家に1ヶ月間泊まり込みの共同生活の中で、地区の里山生活や伝統文化を体験しながら、大学で専攻している芸術・デザイン・文化などの専門的な視点から、この地域でしか発想し得ない創作活動に取り組みます。
受賞歴
2008年:京都精華大学学長賞
2010年:「平成21年度地域づくり総務大臣表彰」受賞(実行委員会として)
*河和田アートキャンプwebsite
http://aai-b.jp/

*twitter
http://twitter.com/kawada_ac

*河和田アートキャンプ2009blog
http://ameblo.jp/kawada-ac09/

*河和田アートキャンプ2008・2007blog
http://ameblo.jp/kawada-art/

*河和田アートキャンプ2006blog
http://kawadart.blog.shinobi.jp/
河和田はこんなところ
【位置】 
意外と知らない人が多い福井県の位置なんですが、
日本海や若狭湾に面した位置にあるんです。
リアス式海岸が印象的な形。
そういえばちょっとイタリアの形に似てる!?

河和田地区がある鯖江市は様々な地場産業があり、自然豊かな地域です。
それでは河和田について紹介します。

【環境】
河和田杉の産地であり、高い森林保全がなされています。
森の中は空気が澄んでて気持ちいいんです。

田んぼと畑が多く、のどかな風景が広がっています。
学生達はここを毎日自転車で駆け抜けています。

ふくいのおいしい水に認定されている「桃源清水」「三場坂清水」をはじめ、
きれいな水が至るところに流れています。
アートキャンプでも使わせていただいてるんですが、おいしい。
「水がおいしい」ってすごく素敵なこと。

水がきれいなので、ホタルの生息地としても知られ、6月にはたくさんの
ホタルが見られます。クリスマスツリー並のイルミネーションですよ。

オシドリをはじめとした、野鳥も多く見ることができます。
そういえば鳥の鳴き声がよく聞こえるような。

【町並み】
築100年以上の古民家が林立しており、歴史を感じさせる美しい町並み。
学生が合宿している河和田町では道路の舗装工事が終わり、一層美しい町並みに。

【産業】

河和田地区は1500年の歴史がある「越前漆器」の産地であり、
伝統的な漆器から業務用まで、幅広い分野に応用できる高い技術があります。
「河和田=漆器」というぐらい、河和田と漆器は密接な関係です。
ちなみに写真は学生に「金継ぎ」を指導している職人さん。
普段は気さくな方でも、ものづくりに向き合うストイック姿勢には
勉強させられます。


【文化】
河和田地区に古くから伝わる「やんしき踊り」
完全にマスターしている学生も。

厄払いの儀式である「おこない」
宙に舞う餅を取るんですが、とにかくすごい。
皆、鬼の形相なんです。

400年前から一度も途絶えることのない行事といわれ、
人が雪中に投げられる奇祭である「殿上まいり」
ゆうに5mは飛ばされます。


【人々】
これは2007年のアートキャンプでファッションショーをしたときの写真。
職人さんにモデルをやってもらったんです。かっこいい。

この通り、学生と街の人は仲良しなんです。


河和田の台所といっても過言ではない、いきいき協議会さんの方々。
女の子たちはアートキャンプをしながら、花嫁修業も同時にできるぐらい
色んなことを教えてもらっています。

本当はもっと載せたいんですが、エンドレスになるのでこの辺で。
河和田の人は本当に優しくて、素敵な方々ばかり。
生活面も支えていただき、本当に感謝感謝です。
学生達が口を揃えて、河和田を第二の故郷と呼ぶのも頷けます。


最後に【施設】です。
・うるしの里会館(越前漆器伝統産業会館)
毎年お世話になっているうるしの里会館。
軒下で作業をさせていただき、思い出が詰まった場所です。
館内はミュージアムショップや工房までが揃う、越前漆器の拠点として
様々なコーナーが設けられています。
館内の喫茶椀椀もオススメです。

・ラポーゼ河和田
河和田には温泉もあるんです!
アートキャンプ中には学生も使用させていただいています。
全国的に珍しい美人の湯。
数年前までは狸もいたんですよ。





河和田アートキャンプのきっかけ(2004年:SABAE MAP PROJECT)
2004年に河和田地区に甚大な被害を与えた福井豪雨のボランティア活動から始まりました。



2004年:SABAE MAP PROJECT
豪雨の影響で夏休みを奪われた子ども達の為に、元気になる企画としてワークショップを開催し、コミュニケーションを図った。



河和田アートキャンプ2005
 2005年、アートキャンプは少し大きくなりました。
参加学生も30名を数え、現在の形を築いていきます。

京都精華大学、福井大学の学生を中心に、「もしもし」「きらきら」「そうそう」など、擬音語をモチーフとして制作された茶室を町中に点在させ、お茶会を行いました。


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河和田アートキャンプ2006
2006年、災害の爪痕も大方消えてきましたが、災害から始まった河和田アートキャンプは逆に大きく成長しています。規模も範囲も大きくなり、人数が増え、なんと100人を超える大所帯となりました。

それでは、簡単に2006年の活動を振り返ります。

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100名を超える若者たちが集いました。卒業した今でも河和田にやってくる学生たちは沢山おり、河和田との交流が続いています。

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バス停プロジェクトです。
つつじバスのバス停を5カ所制作しました。写真のバス停はなんと和紙で作られています。2010年になった今、老朽化で撤去したバス停もありますが、

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河和田コミュニティセンターのバス停は今でも現役です。
「椅子と屋根があるから嬉しい」「バスから見ても目立つ」と好評を得ています。

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バス美術館プロジェクトです。つつじバスの内装に芝生を敷くことでバス内に会話を生もうという作品です。普段バスの中で他人同士での会話はありえませんが、アートのちからで「どこからきたの?」「これはなあに?」というようなきっかけを生み、交流へと繋げます。

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ファッションショープロジェクトです。
和紙を使った洋服を着て、子どもたちや地域の方がモデルとなってステージを行いました。河和田町の敷山神社で行ったのですが、ショーの雰囲気と敷山神社の空気感が重なり合ってとても重厚な時間でした。

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灯りプロジェクトです。私たちが滞在している古民家の隣家に、提灯をプレゼントし、以前はあったお祭りを復活させるという目的で行いました。道路の両側面にはエコネットさばえで制作したオリジナルシェードに包まれた廃油キャンドルが河和田の夜を彩りました。

2006年の河和田アートキャンプでは上記の他にも様々なプロジェクトを行いました。
詳細が知りたい方は、出版物の販売もしておりますので、下記のアドレスまでご連絡ください。

info@aai-b.jp
河和田アートキャンプ2007
河和田アートキャンプ2007では以前の活動に増しさらに進化を遂げています。
如何に芸術を地域を結びつけるかという理念が学生にも徐々に浸透しつつあり、学生たちは普段の制作とは待ったく違ったアプローチの仕方に戸惑いつつも地域資源を活用した芸術を提案しました。

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軽トラプロジェクトです。
河和田でおなじみの白い軽トラックの荷台にオブジェクトが制作されました。1台1台にコンセプトがあるのですが、全5台を貫くコンセプトは、災害地域へのソフト物資輸送です。たとえば手紙を積み被災地に走ることで、たくさんの応援者の声を届けることができるといった具合です。ここで作成された軽トラアートは、後に京都議定書に関するイベントや京都精華大学でのイベントにも駆り出され、大活躍しました。

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軽トラプロジェクトのひとつ、「ペットランポリン」です。中にペットボトルを加工して作られたスプリングが仕込まれており、中で跳ねるとまるでトランポリンのように上下します。ずっと離れない子どもがいたりと、ファンが多い作品です。

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漆器職人さんと学生をモデルとして起用したファッションショーを行いました。着ておられる服は、職人さんと学生が時間をかけて協議し生まれたインスピレーションから制作されました。まるで一つのお祭りを作っているような感覚で、ショーは大成功を納めました。
音響は仁愛大学の和太鼓部「仁」の皆さんに担当していただき、年代の壁、大学の壁を越えた、一つの美しい作品を作り上げました。


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生活風景です。100人もの学生が参加しているのでもちろん布団の数もたくさんあります。畳と一緒に布団を干し、物を大切にする姿勢を学んでいきます。しかしそこはもちろんアートを学ぶ学生たち。布団の干し方もアートと捉え、センスを発揮します。


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